【完全解説!】英検準1級の難易度や合格に必要な勉強時間はどれくらい?TOEICのスコアに換算すると何点?
結論:英検準1級に合格できればTOEICで800点前後取れるが、TOEICの勉強だけで英検準1級に合格するのは難しい
私は2018年度第1回試験で英検準1級に合格しました。この時は一次試験G+2、二次試験がG+1での合格でした。詳細は2018年度第1回英検準1級結果、素点とCSEスコアも公開しますに書いています。
私が英検準1級のための勉強を始めた時点でのTOEICのスコアはリスニング430点、リーディング370点で合計が800点でした。普段英語を使う機会はあまりなく、仕事に関連するドキュメントを読むくらいでした。
TOEIC800点といっても資格としてある程度の点があったほうがいいと思いTOEIC対策の勉強を続けて取った点数でした。
英検準1級の勉強を始めるときに初めて過去問を解いたときは語彙問題は約5割、リーディング、リスニングが約5~6割程度の正答率でした。また、ライティングは全然書けませんでした。
この状態から英検準1級レベル単語を覚える、過去問や問題集を使ってシャドーイングを行う、ライティングはテンプレートを作って問題を何度も解く、といった勉強を行いました。
英検準1級合格までに必要な勉強時間
私の場合、TOEIC800点取得後から英検準1級合格までにかけた勉強時間の合計は1日2〜3時間×約4ヶ月で約300時間ほどでした。
この勉強時間には通勤中にリスニングの音声を聴いたり、単語帳をやったりした時間を含んでいます。社会人で仕事があり、まとまった勉強時間を確保することが難しかったので通勤中やお昼休みなどの隙間時間も勉強にあてました。
仕事が休みの日にはゴロゴロしたり休みたい気持ちを抑えて3時間は勉強するようにしました。私は土日は過去問演習など時間がかかる勉強を行っていました。
ここから考えると、TOEIC対策だけ行っていた場合は800点以上取得していてもいきなり英検準1級合格は難しいと思います。
逆に英検準1級に合格できた人はTOEICの公式問題集を解くなどして試験に慣れておけば800点以上取れると思います。
英検準1級の勉強の前にTOEICで基礎を固めるのも有効
英検準1級を受けるにはまだまだ英語力が足りないという方はTOEICで700 ~ 800点取れるようになってから英検準1級の勉強をしてもいいと思います。TOEICは教材も初級〜上級まで数多くあるので勉強もしやすく、英語の基礎力をつけるためには適していると思います。
また、TOEICで700 ~ 800点あれば就職、転職で有利になることも多いですし、社内での昇進や海外出張の条件にTOEICのスコアが含まれている企業もあります。このため、英検準1級の勉強と合わせてTOEICも受験して損はありません。
多くの参考書、問題集に手を出すのではなく、公式問題集を中心に学習を進めるとよいです。自分が苦手な分野の参考書を必要に応じて書いましょう。
以下のようなことを意識して学習すると良いと思います。
- 頻出単語を覚える
- 英文法、構文を理解する
- リダクション、リエゾンなどの音声変化のルールを覚える
- リスニング用音源でシャドーイング、ディクテーションを行う
- 長文を精読し英語のまま理解できるようにする
TOEIC800点、英検準1級合格は独学でも十分可能です。しかし、お金に余裕があり短期間で成果を出したい方はスタディサプリENGLISHのようなコーチングサービスを利用するのも良いと思います。
英語教師の採用試験時の加点条件からTOEICと英検準1級を比較する
都道府県によっては、中学、高校の英語教師の採用試験では英検準1級やTOEICで一定以上のスコアを取得していると加点される制度があります。この制度で英検準1級と同じ加点が得られるTOEICのスコアが何点なのか調べてみました。
文部科学省の資料3-3 試験免除・特別の選考等(加点制度)によると英語の資格を持つ人に対して一定の加点を行う都道府県があります。この資料を見ると英検準1級保持者と同じ加点をもらえるTOEICのスコアは730点以上の県が多いようです。このことから、英語教師の採用という場面では英検準1級とTOEIC730点は同程度の難易度と考えられているようです。
個人的な感覚では英検準1級とTOEIC730点ではTOEIC730点の方が短時間の勉強で取得できると思います。
TOEICはリスニングとリーディングの2技能のテストですので集中して対策をすれば点数は伸びやすいと思います。また、教材もTOEICの方が英検よりも豊富に揃っているため自分にあったものが見つけやすいと思います。
ちなみに、同じ資料で英検1級保持者と同じ加点をもらえるTOEICのスコアは860~945点とかなり開きがありました。
英検準1級とTOEICの試験内容の違い
試験で問われる技能
英検準1級はリーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの4技能であるのに対し、TOEICはリーディング、リスニングのみの試験であるTOEIC Listening & Reading Test がメジャーです。
英検準1級はリーディング、リスニング、ライティングをテストする一次試験とスピーキングをテストする二次試験に分かれています。一次試験の合格者のみ二次試験を受験することができます。
一次試験、二次試験共に素点からCSEスコアに換算されて合否が決まります。CSEスコアの計算方法は非公開なので合格ラインの正答率は正確にはわかりません。しかし、各分野で7割以上得点することができれば合格することができます。
試験内容
また、英検準1級の方がTOEICに比べて試験時間に余裕がありじっくり問題を解くタイプの試験です。TOEICはリーディングで最後まで解ききれない人も多く、スピードが求められる試験です。私がTOEIC800点を取得したときはリスニング430点、リーディング370点でしたが、リーディングの最後の10問以上は時間が足りずに勘で塗りました。
問題で扱うテーマも英検準1級では科学、経済などジャンルが広いです。一方、TOEICではオフィスでのやりとりや広告などビジネスよりの内容が多いです。英検準1級の方がアカデミックな内容ですので人によって向き不向きがあると思います。英語の試験ですので専門的な背景知識が無いと解けないような問題は出題されません。
これまでTOEICの勉強しかされていない方も英検の勉強をすることで自分の英語の実力をあげることができると思います。どちらの試験が優れているかということではなく、英検もTOEICも活用して英語力を高めていくことが重要だと思います。
私が英検準1級、1級受験のために使った参考書、問題集は以下の記事にまとめていますので参考にしてみて下さい。
スピーキング(英会話)向上に英検準1級、TOEICは有効か?
英検準1級では二次試験で面接があるため、合格するための勉強を通してスピーキングが向上すると思います。TOEICはスピーキング、ライティング試験が分かれているため別途申し込まなくてはいけません。また、就活や転職で求められるTOEICのスコアはリーディング、ライティングのスコアであることが多いので、スピーキング、ライティング試験を受けるモチベーションが上がりにくい気がします。
ただ、英検の二次試験も時間が短いですし、出題される内容も限定的なものです。英検準1級に合格したからといって英語がペラペラに話せるようになるというわけではありません。日常会話だけでなく外資系企業や海外で働きたい、留学したいという場合は試験勉強とは別にスピーキングの練習、勉強を続ける必要があります。
スピーキングの場合1人だけでは練習が難しいので英会話スクールに通ったり、オンライン英会話を利用することをお勧めします。オンライン英会話は色々体験レッスンを受けて自分にあったものを選びましょう。
私は【Cambly(キャンブリー)】 を利用しています。予約不要ですぐにレッスンができる、レッスンを録画することができて復習しやすい点が気に入っています。