英検1級合格のための効果的なライティング対策

2024年1月13日

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英検1級のライティングの問題形式と採点基準を確認する

ライティングの問題形式

まずは問題形式を確認しましょう。英検1級のライティングの問題見本は以下のようになっています。

● Write an essay on the given TOPIC.

● Give THREE reasons to support your answer.

● Structure: Introduction, main body, and conclusion

● Suggested length: 200–240 words

TOPIC Should economic development be a higher priority for developing countries than environmental protection?

https://www.eiken.or.jp/eiken/info/2015/pdf/20151225_pressrelease_1601renewal.pdf

解答の英文の条件として理由を3つ述べること、序論、本論、結論という構成にすること、語数を200~240語を目安とすることと指定されています。英文の構成と主張の理由が3つと指定されていることが特徴です。

ライティングの採点基準

次に採点基準を確認しましょう。ライティングは以下のように、内容、構成、語彙、文法の4つの観点からそれぞれ8点満点で採点され合計32点満点です。

この画像は私が1級の一次試験に合格した際の得点です。24/32点なので得点率は75%でした。 ちなみに、私が受験した2019年度第1回の合格者のライティングの平均得点率は78%くらいでした。

英検1級 ライティング 採点基準

問題形式と採点基準を把握したところで、私が行ったライティングの対策方法について説明していきたいと思います。

私が行ったライティング対策

英検1級のライティング対策として私は以下のことを行いました。

  • 論理的な英文の構造を勉強する
  • 主張の理由を考える練習をする
  • テンプレートを準備する
  • 必要な英語の表現を勉強する

論理的な英文の構造を勉強する

繰り返しになりますが、英検1級のライティングの採点基準は内容、構成、語彙、文法の4項目でそれぞれ8点満点でライティングの素点は32点満点です。語彙と文法については使用している単語が適切か、同じ単語を何度も使用しすぎずに適切にパラフレーズできているか、文法は正しいかという点が問われます。内容、構成については設問の意味を理解し、回答内容に一貫性があり論理構成がきちんとされているかという点が問われます。私は普段英文を書く機会が少ないため以下の参考書を使用しました。

これらを参考にして論理的な英文の構成はどのようなものかということから勉強しました。

序論では問題に対する主張を述べます。賛成なのか反対なのか、同意するのかしないのかをはっきりと述べるようにしましょう。

本論では序論で述べた主張の根拠となる理由をパラグラフごとに書きます。このとき1パラグラフでは1つの理由について書くようにしましょう。また、それぞれの理由が同じような内容にならないように注意しましょう。

結論では序論で述べた主張をもう一度繰り返して全体をまとめます。このときパラフレーズを適切にできると良いです。

英検1級では理由を3つ述べることが求められますので、必然的に本論は3つのパラグラフで構成されます。したがって、全体の構成は以下のようになります。

各パラグラフでは主張→理由→理由を補助する具体例、というように全体→詳細の流れで構成することが基本です。例えば、設問が「日本が移民を積極的に受け入れることについて賛成か?」という内容であり、賛成の立場で回答するとします。このとき理由のパラグラフでは「移民を受け入れることは日本の労働者不足の改善につながる。なぜなら、移民を受け入れることは企業が労働力を確保することの手助けとなるからである。現在日本は高齢化が進み労働人口は減少しており、日本企業における労働力不足は深刻であり多くの企業が人手不足に悩んでいる。欧米では移民を受け入れることで労働力不足を補っている・・・・」というように理由の要点を述べてから、理由の詳細、重要性、具体例について述べましょう。

  1. 序論
  2. 本論
    1. 理由1
      1. 理由の要点
      2. 理由の詳細、具体例
    2. 理由2
    3. 理由3
  3. 結論

主張の理由を考える練習をする

最初は理由がなかなか思いつかないと思います。というのも、英検1級のライティングで問われる内容は移民政策、環境問題、教育問題などであり、準備無しに試験本番で理由を3つ考えることは難しいと思います。できたとしても時間がかかってしまいます。予め過去問や問題集を使用し日本語でよいのでまずは理由を考える練習をしましょう。何問か練習していくとよく使う理由があることに気づくと思います。私は下の4つを使うことが多かったです。

  • 環境への影響
  • 経済への影響
  • 健康への影響
  • 世界平和、治安への影響

参考書にもこのあたりの理由の例はのっていますが、自分で考えて理由を挙げる練習をした方が良いです。それは、試験本番での対応力を上げるためと二次試験のスピーチ 、質疑応答で合格点を取る実力をつけるうえでの基礎となるからです。

文章構造のテンプレートを準備する

試験本番での回答時間短縮のために文章全体の構成のテンプレートは準備したほうがよいです。私は基本的な構成で以下のようなものを準備しました。

I think that … (主張) for following three reasons. (序論)
First, (理由1)
Second, (理由2)
Finally, (理由3)
In conclusion, for thease reasons, I believe that … (結論)

テンプレートの作成には英検準1級ライティング大特訓が非常に参考になります。

必要な英語の表現を勉強する

当たり前ですが、理由を考えられてもそれを英語で表現できなければ試験に合格できません。私は意見を述べるための表現は参考書に載っている表現で自分が試験本番でも使えそうだと思ったものを選び、センテンス単位で使えるように練習しました。

例えば、「○○は××に好影響を与える」と言いたいときは多いと思います。表現の一つとして ○○ could have positive effects on ×× を選んだとします。 これに、 accepting more immigrants can have positive effects on the economy. (より多くの移民を受け入れることは経済に良い影響を与え得る)のように○○は××の単語を入れ替えることで様々なテーマに対応できます。
文単位で覚えること、単語を入れ替えて多くのテーマに対応できるようにすることが重要です。

参考書の例文の丸暗記は効率が悪いのでやめましょう

ライティングの対策として参考書の例文や過去問の回答を大量に暗記しようとしていませんか?私も勉強を始めた頃は「とにかく英文を暗記すればなんとかなるんじゃないか」と考えていました。
しかし、これは効率が悪い勉強法だと感じました。その理由は大きく以下の2つです。

  • 理由1: 他の人が作った文をそのまま覚えることは苦痛
  • 理由2: 丸暗記では応用が効かないので準備していない問題が出題されると対処できなくなる

理由1: 他人が作った文をそのまま覚えることは苦痛だし記憶の定着率が悪い

参考書などの英文をそのまま丸暗記することはかなり大変だと思います。それは、自分の考えではないものだからです。日本語であっても適当な新聞や雑誌の記事を暗記しようとすると結構大変ですよね。まして英文となると問題集の回答を丸々覚えようとしても1つ覚えるために時間を使いますし、記憶の定着率も悪いです。また、試験中に思い出せない箇所が少しでもあると焦ってしまい実力を発揮できなくなると思います。

理由2: 丸暗記では応用が効かないので準備していない問題が出題されると対処できなくなる

試験本番で自分が準備していたテーマが出題されるとは限りません。英文丸暗記だと準備していないテーマが出題された時に全然回答できないという事態になりかねません。英検1級のライティングと二次試験で求められるのは自分の意見を発信できる英語力です。英文をただ暗記するだけでは自分の意見を表現していないので発信する力がつきません。仮に一次試験を突破できたとしても二次試験の準備時に苦しくなると思います。

二次試験はスピーキングですので暗記した英文を思い出しながらだとスピーチとして不自然になります。スピーチ 後の質疑応答では試験管とスムーズな会話をする力が求められるので、ただ暗記に頼る勉強法では苦しくなります。

私が使った参考書、問題集

準1級用とありますが、テンプレートや論理構成について基礎から解説してくれています。例文も実践的なので1級対策としてもおすすめです。

コンテンツブロックという形で本論のパラグラフ単位の例文が非常に豊富に載っていることが魅力です。ただ、全てのコンテンツブロックをそのまま覚えようとすることは先にも書いた通り非効率なのでやめた方が良いと思います。センテンス単位で自分が使えるものを活用するようにしましょう。

英語

Posted by fanfanta