【合格体験記】IPA プロジェクトマネージャ試験の勉強方法とおすすめ参考書

2024年1月13日

令和4年度の情報処理技術者試験のプロジェクトマネージャ試験に合格することができたので、実際に行った勉強方法についてまとめます。

プロジェクトマネージャ試験の得点
プロジェクトマネージャ試験の合格証書
合格証書

使った参考書

プロジェクトマネージャ試験の受験生の中では使っている人が多い情報処理教科書 プロジェクトマネージャを使いました。掲載されている過去問の解説が非常に詳しいです。また、問題文の読み方や回答に至るまでの過程についても詳しく解説されているのでとても参考になります。

午後IIの論文についてもサンプルと解説が豊富に載っているので独学で論文対策するうえで参考になります。

午前I ・II対策

午前I・IIはともに4択問題であり、問題の難易度は基本情報や応用情報と同じくらいなので、これらの試験に合格しているのであれば過去問を繰り返し解くという勉強方法で問題なく突破できると思います。

具体的な対策としては、過去問を解いて間違えた問題については解き方や知識を都度覚えるということを繰り返しましょう。5年分の過去問について完璧に解けるようになれば本番でも午前I・IIは突破できるはずです。

午後I対策

過去問を使った問題演習を中心に勉強しました。問題を解く時は本番同様に時間を測って回答を紙に書くようにしました。プロジェクトマネージャ試験に限らず情報処理技術者試験では問題の字数制限に回答をまとめる所が難しいです。回答を頭の中で考えるだけだとわかったつもりでも本番で上手く回答をまとめられない可能性があります。めんどうでもきちんと回答を手書きする練習をしましょう。

午後Iの問題には一般的な知識で答える問題と、問題文で述べられている状況から答える問題の大きく2種類があります。各問題がどのタイプなのかを判断できるように注意しながら解くと良いと思います。

情報処理技術者試験の記述問題は問題文に載っている記述を抜粋して回答する問題が多いです。そんなの当たり前の回答でいいのか?という問題もあります。その辺りの癖に慣れる必要があります。

本番の試験は2問を90分で解くため、時間配分が重要です。自分がどれくらいの早さで問題を解けるのかも把握する必要があります。普段の勉強から時間を測って問題演習しましょう。また、本番では分からない問題があった場合は一旦飛ばしてわかる問題から回答していきましょう。

業務でプロジェクトマネージャが未経験だったり、プロジェクトマネージメントやPMBOKに関する知識が無い場合は参考書をざっと読んで知識をインプットすると良いと思います。

午後II対策

午後IIの論文対策も情報処理教科書 プロジェクトマネージャに書かれている内容に従って勉強しました。

  • 論文の書き方を理解する
  • 論文のネタを準備する
  • 手書きで論文を書く練習をする

論文の書き方を理解する

論文の全体構成に注意する

問題文で問われている内容にきちんと回答できるように論文全体を構成する必要があります。問題文で問われていることから論文の内容がズレてしまうと、内容が素晴らしいものであっても評価が低くなってしまいます。論文の構成方法についても上記の参考書に詳しく解説されているので、それに従って構成するようにしていました。

現状の問題は設問ア、イ、ウの3つから構成されています。それぞれの設問での字数制限についても把握しておきましょう。特に設問アは800字以内となっていることがほとんどです。設問アではプロジェクトの概要を述べることが多いですが、プロジェクトの詳細を書き始めると字数オーバになってしまいます。本番で焦ることが無いように、論文を書く練習と通して自分の中で書き方をテンプレート化しておきましょう。

各設問の字数に注意する

最新4年度の秋季試験の段階では設問ア〜ウの字数の制限は以下のようになっています。

  • 設問ア:800字以内
  • 設問イ:800字以上、1,600字以内
  • 設問ウ:600字以上、1,200字以内

この中で設問アを800字以内にうまく収めることが結構難しいと思います。段落の見出しや論文の書き出しの提携文もあるため、設問の解答に使える文字数が思ったよりも少なくなります。採点官にも伝わるようにとプロジェクトの概要を丁寧に書き始めると字数を消費して設問アのその他の要素に解答できないということになってしまう恐れがあります。

「プロジェクトの概要」を書く流れはここ数年は変わっていないので、字数を使いすぎずに描けるように事前準備をしておきましょう。

設問イ、ウは最低文字数が800、600字です。論文対策を始めた頃はこんなに書くことが無い!と感じると思います。採点官はあなたのプロジェクトについて予備知識は無いということを大前提としてプロジェクトの状況や対応策について丁寧に記述すれば800字は超えられます。試験中は普段の業務では表や図を使って説明するものを文章のみで説明する必要があるので、この辺りは慣れる必要があります。

箇条書きや図を書くことは禁止されていないようなのですが、字数のカウントがどうなるかわからないのと、手書きで分かりやすい図を描くスキルが私には無かったのでやめておきました。

プロジェクトマネージャの立場で実施したことを回答する

論文中では受験者は一貫してプロジェクトマネージャの立場で実施したことを回答する必要があります。実際のプロジェクトでは開発メンバーやアーキテクトといった立場だったかもしれませんが、論文中ではプロジェクトマネージャとして他メンバに指示したというように書く必要があります。これはプロジェクトマネージャ試験なので当たり前といえば当たり前ですが、実際に経験したプロジェクトの内容について論文を書いているとつい実際にやったことを書いてしまうことがあるので注意しましょう。

論文のネタを準備する

品質管理やスコープ調整といった午後IIで出題されるテーマに対して論文で書くネタを準備しましょう。この時自分が経験したプロジェクトの内容と一般的な対策やデータも一緒に準備するようにしましょう。

例えば、設計書の品質管理であれば品質管理で使用される指標としてレビュー時間、レビューでの指摘数、指摘内容の分類、それぞれのページに対する密度といったものがあります。論文中で述べるプロジェクトではどの指標を使ってどのように値を管理したのかを中心に論述しますが、このとき一般的にはどのような手法や考え方があるのかも併せて記述した方がよいです。これはプロジェクトマネージメントにおいてはテーラリングが重要であるためです。

論文を丸暗記するのはやめた方がいい

論文のネタを予め準備することことは重要ですが、予め作成した論文を丸々覚えて試験で使うというのは有効で無いと思います。全く同じ問題が出る可能性は低いですし、似たような問題であっても丸暗記したものをそのまま使うと問題の内容とズレた回答になるリスクがあります。違う問題への応用もしにくくなります。予め作成した論文を覚えるというのはやめた方が良いと思います。

手書きで論文を書く練習をする

論文を書くための準備ができたら実際に原稿用紙を準備し、手で論文を書いてみましょう。PCで書きたくなりますが、本番と同じように原稿用紙にシャーペンで書きましょう。

本番では2時間で2,500字程度書く必要があります。これだけの文字数を普段の業務や生活で手書きすることはほとんど無いと思います。実際に手で論文を書いてみるとわかりますが、メチャメチャ手が疲れます。このため原稿用紙を用意し、本番と同様にシャーペンで論文を書いて手を慣らしておいた方がいいです。

また、手書きだとPCと違って書いた文章を削除したり、文を挿入するのも大変なので、途中で構成を大きく変更するということは難しいです。このような手書きであることの難しさを理解するためにも手書きで論文を書いておきましょう。